桝田省治がシナリオ監修を行い、システムソフトから発売された「サイバー大戦略〜出撃!はるか隊〜」について述べます。最初は日記に書いたんですが、ちと長くなったんでこっちに移しました。なお、シナリオのネタバレはありません。
今日は「サイバー大戦略〜出撃!はるか隊〜」が発売だ。開店前の列ができているソフマップを横目に見つつ、メッセサンオーに入るが売っていない。あれあれ。隣の三軒並びでは売っているのを確認した上で、ポイントカードもあるし何かグッズがつくかもしれないということで、ソフマップの列に並ぶ。ほどなく開店したので並んで入ると、何と発売日の癖に新作の欄に平積みになっておらず、探すのに苦労した。ううむ前人気はないソフトだとは思ったがこれほどとは。ちなみにノベルティグッズの類はなく店頭宣伝をまともにやっているフシはないので、どうやらまた「桝田省治が関与したソフトはセールスには結びつかない」のパターンになるようだ。ちなみにソフマップの行列客の目当ては主に「アーマード・コア」であったようだ。ヤマトだの魔女っ子ものだのも発売しているが、そちら目当ての客はいなかったようである。
「サイバー大戦略〜出撃! はるか隊〜」をプレイ開始。まず主人公の名前が「未来 時生(みく ときお)」という時点で思わず「うぷぷっ」としてしまったので、速攻で自分の名前に直すことにする。さらに名前が変えられた時点で推定できたとはいえ、ゲームが始まってもキャラが喋らないことが判明。何てこったい。これではギャルゲーとしての萌え萌え度は厳しいぜ(もっとも記事広告に声優の名前がない時点で気がつくべきであった)。とはいえ無いものは仕方ないので、ヒロインの「春日 はるか」の台詞を頭の中で桑島法子の声に変換してプレイすることにする(笑)。
ゲームはシナリオと戦争を交互に進めるという「FOXY」もとい「サクラ大戦」な形式で進む。設定は2010年の日本における電脳空間での対ハッキング電子戦を、プログラムを軍事ユニットに置き換えて表現しているというもので、「コミックボンボン」あたりを探せばすぐ拾えそうな割とありがちなもの(笑)。とはいえゲーム自体は生産のないただの古典的大戦略でありさくさく進む。乱数要素として自分のユニットの攻撃力をゲージの「目押し」で決めるというのが割と緊張を強いられて良い。
ストーリーは、何だかよく分からないうちに戦いに参加することになった主人公が、次第次第に明かされる謎と自分の秘密に触れていくという王道パターンを突き進んでおり、この辺の見せ方にはシナリオ監修の桝田省治が腕を奮ったようだ。プレイヤーが演じる所の主人公キャラは感情をあまり表さず口数の少ない(おかげで選択肢が少ない)美少年であり、男アヤナミ、というか今だと露骨にユウシロウ。時期的に見てキャラは「ガサラキ」の放映開始前に固めたとも思われるが、真似したと思われると辛いかも。女性キャラのデザインも含めてキャラデ自体は悪くないのだが。
本作の売りのひとつにサブストーリー展開機能があるが、基本的にこれは選ばないとただ簡略化されるだけであり、読まないと明らかに損なので、攻略に失敗して再プレイする際に戦闘に再度至る時間を短くするためにしか用いられず、あまり面白いものではない。アドベンチャー画面をボタン連打で進めていると、分岐発生画面サインが小さくて飛ばしてしまうことも多し。そもそもサクラ大戦のごとく戦闘直前にセーブさせてくれれば、こんな機能をつけず全部シナリオを見せてくれても構わない。要改善・・・ってもう遅いか。
ま、それほどトータル時間もかかりそうにないし、面白かったらもう1回最初から1話ずつセーブファイルを残しながらシナリオを堪能することにしよう(実はしくじって1
unit killedしてしまったので、やり直したい気持ちもないでもない)。
2時までプレイして6話まで終える。
朝から「サイバー大戦略」を行う。昼下がりまでかかって(総プレイ時間8時間余)第18話まで進む。ストーリー的に見て、どうやらこの面が最後の敵との対決であるようなので、多分これをクリアすればラストとエンディングが見られるのであろう。が、その18面が全っ然クリアできーん!
大きな理由として、まず終盤で登場した敵ユニットB-2戦略爆撃機というのが明らかにゲームバランスを崩していることが挙げられる。バランス調整したんかいと言いたくなる位。他のユニットは大体HP250程度なのだが、B-2は戦艦並みにHPが600あるうえに対空対地攻撃能力がともに120ある。大戦略の基本は、対空能力のないユニットを航空機で攻撃し、対地能力のないユニットを陸上兵器で攻撃することであるが、B-2は数ユニットで攻撃をかけないと倒せず、しかもとどめをさす1ユニット以外は反撃ダメージ120を受けてしまう(となると次のターンに非常に高い確率で他のユニットなどにやられてしまうのだな)。もちろんこういうのは防御効果の高い地形や都市回復を駆使して戦うのが筋なのだが、相手は航空機であるため足も長く自由に動き回るためそれも困難。何より、ストーリー上こちらは「はるか」「レオン」との3人チームを組んでいるのだが、連中のユニットは味方であってもCPUが動かすので一切制御できず、当然のごとく頭の悪い動きしかしてくれない(笑)ので作戦もくそもない。はっきり言って敵戦力の2/3は味方戦力の1/3のプレイヤー自身が倒さなければならないような状態なので、B-2にぽろぽろ味方がやられる。
そんなわけで終盤はかなりしんどい戦いをしていた(ちなみにとうにノーミスクリアは放棄)のだが、とうとう17面でドツボにはまってしまった。味方が戦艦3隻と地上ユニット1しか残らない状態で敵の要塞(いわゆる首都。倒せば面クリア)を残してしまったのだが、要塞は戦艦の射程外なのだ(涙)。要塞には回復力があり終盤になると反撃力もあるので、地上ユニット1では絶対に倒せない。しかしここで素直にやり直せば良いものをムリヤリ支援(使い切りアイテム)の大量投入でクリアするということをやってしまい、加えてセーブファイルを上書きしてしまった。
で、使える支援がほとんどない状態で18面に進んだ所、18面ではB-2が3機も登場していて絶句。で大戦略の常として(B-2は軽く数ユニット分に相当するが)たとえB-2を1ユニットとして数えても敵の方がユニット数が多いしユニットレベル数の合計も多い(もっともB-2がレベル1であるような数字なので、全然比較の意味がないのだが)。で味方の2/3は無能。というわけで何度かリトライしたけど、とても勝てんわコレ。自分のユニットの成長のさせ方のバランスも少々悪かったというのもあるので、もう1回最初からやり直すのも手なのだが、正直そこまで面白いわけではないのだな(笑)。エンディングは見られなかったとはいえストーリーはほぼ分かったし、このまま止めてしまう公算が高い。
というわけで「サイバー大戦略」の評価のまとめに入ると、んー、こりゃ私にはちょい厳しいね。7点(シナリオと操作性による加点あり)。
確かに序盤なんかはシミュレーション初心者への配慮なんかもあって非常に好感が持てたんだけど、全般として初心者に勧められるかと言えば、ここを読めば分かるようにちと勧められるものではないわな。「サクラ大戦」の戦闘パートはゲーマーから馬鹿にされることも多いけど、あれは基本的に誰でも最終的には(失敗してもリトライさえすれば)クリアできるという所に意味があるのだよな(だから不要と言われることも多いのだが)。本作も一応はストーリーを見せることを考慮している作品の筈である以上、大戦略が好きな人間にしかクリアできないというのでは、いささか難があると言わざるを得ない。
とはいえゲームというのは適度なストレスと達成した時のカタルシスをいかに与えるかということが重要でもあるため、確かに大戦略というゲームの魅力は常に「圧倒的に有利な物量の敵に耐えて耐えてひっくり返すという一種マゾヒスティックな快感」にあるとは言えると思う。その意味では本作は確かに「大戦略の魅力を初心者に伝える」という意図の達成度に関しては満点をあげて良い位である。これをプレイした結果、大戦略シリーズにのめり込む人間も出るに違いない。ただし「大戦略の魅力が分からなければゲームに脱落してそれまで」では売り物としてちと問題だと思うし、買ったユーザーとしてはストーリーの結末が見られないのでは良い評価は出せるものではない。
素人プレイヤーでも何とか勝てる程度にはしたうえで「どうにか敵を倒して世界を救うが、はるかには振られた(笑)」という成績に応じたEndingでも用意してくれれば、燃えてやり直す可能性すらあるのだが。
操作性やファイルのロードセーブの非常な高速さなど、良い所は一杯あるだけに惜しい。
結局本作は「もともと大戦略が好き」または「大戦略というのがどういうゲームだか興味がある」人にしか勧められないということになる。まして、昔から「三国志は好きだが大戦略は嫌い」な私にはどうやら合わなかったゲームだったと言わざるを得ない。
いや実際、桝田省治がシナリオ監修をやっているとさえ知らなければ、鼻も引っかけなかったゲームではあるんですけどね(笑)。
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