「Civilization2」移行ポイント
1996.6.4作成
2001.6.5更新
シミュレーションゲームの傑作「Civilization2」(PC版)の特徴をつれづれなるままに述べています。
記述は1との比較を中心にしておりますので、PC/Mac/Playstationで1をプレイして、ゲームの何たるかを熟知している方への「2は買いだろうか?」という疑問に応えるためのものだと理解されればよろしいかと思います。
結論から言えば「1を楽しめたならば買い」なんですけどね(笑)。
操作性の向上
- 1で不満だった点を大分改善しており、操作性はかなり良くなっています。
- 個人的には、1では都市が30を越えるともうへとへとになりましたが、2だと50を越えても管理可能です。
- 最短距離計算アルゴリズムが改善されており、鉄道を敷くと移動をCOMに
- やらせても90%位の確率で正しい経路を取ってくれて1ターンで移動を
- 終えてくれます。
- だから基本的には自分で大陸の端から端までユニットをいちいち動かす
- 必要がなくなりました。
- 各種のアドバイザで、都市情報一覧をクリックして目的の都市画面に
- 飛んでその都市のステータスを変更し、終わったら都市情報一覧に
- 戻ってくることができます。Very Good。
- 細かい警告がかなり親切になりました。
- 例えば「水道」が必要になるメッセージは、人口が上限値(8)に達した時点で通達されるので、建設し忘れてみすみす損をすることが大分なくなりました。
なお、人口を13以上にするには「下水道」が必要です。
追加された施設
- 施設の種類が増えており、海エリアで食料増産や資源増産を行う施設もあり、農地エリアの食料や資源を1増やす施設もあり、総じて食料に余裕があります。終盤では「感謝際」を使えば、平地ばかりのエリアでなくても、たやすく人口が25位まで到達できるでしょう。30突破も難しくありません。
- 終盤では生産した余剰資源を金に変換する特殊な「施設」Capitalizationを建造できます。これを使うことで、終盤建てる物がなくなった後で「○○を建造しては売却」のルーチンワークから解放されました。楽です。
Solar Plantを作ると公害が発生しなくなります。手に入るのは終盤とは言え、ちょっと甘すぎかも。
「裁判所」は汚職を半分にするのみならず、民主制では幸福な市民を1増やすという機能が加わりました。劇的に助かります。
1で民主制になったら売却される運命にあった裁判所は、2では必須施設に昇格したと言えます。
追加されたユニット
- 戦闘システムの変更(後述)などに伴い、滅茶苦茶に種類が増えています。全51種類。細かい違いは一応りますが、はっきり言って使いこなす前にゲームが終わってしまいます。どうせ最後は自動車化歩兵(Mech.Infantry)と自走砲(Hoitzer)になるし。
- 中盤までで活躍するのがチャリオット(Chariot)から象兵(Elephant)に変わった位でしょうか。
- それほど効果のある改訂には思えません。悪くはないですけどね。
追加された政治体制
- どう見ても北朝鮮をモデルにしている原理主義(Fandamentalism)が加わりましたが、こんなの行き詰まり文明だし、わざわざ発明するメリットが見当たりません。
とはいえ科学の発展が遅れるデメリットを犠牲にすれば、不幸市民は出ないし10ユニットまで無資源で維持できる(!)うえ汚職が少ない、というのはある意味で軍事国家を作るうえでは共産制よりもかなり魅力的ではあります。周囲が敵ばかりでしばらく科学を伸ばす余裕にほど遠く、そのうえ共和制に移行し損ねていたら試す価値はあるかもしれません。
ただし、原理主義はその割には手に入りにくいとは思うのですが。
システムの変更
- 汚職による「損失」が貿易のみならず「資源」にも適用されるように
- なりました。これは政治体制をチェンジする大きな動機となっています。
- 共和制以降の「外征」による不幸市民の制約がかなり大甘になり、
- ユニットを生産した都市にいなければならないのではなく、自分のどの都市にいても構わないようになりました。軍隊の運用が劇的に楽です。
- また、都市の周囲2エリア以内に建造した「要塞」上に配置した場合
- にはそれは市民を不幸にしません。このため守りに徹した場合にも、
- 都市の防衛が容易になりました。
- 「外征」の不幸市民抑止の効果は、「警察署」を建てることで抑え
- られます(このため「婦人参政権」の重要度が大きく減りました)。
陸上ユニットは船への乗船と下船を同一ターンに行うことはできません。このため船を並べての「チェーン輸送」はあまり意味を持たなくなりました。
生産物であるユニット/施設/不思議はそれぞれ異なるタイプに属しており、
- あるタイプから別のタイプへの変更は50%のペナルティを受けます。
- このため「とりあえず不思議を作ってポイントをためておいて施設に変更」の
- 手は使えません。危うくなったので施設建造を中止してユニット生産、も
- 同様で、いささか計画性が要求されるでしょう。
- COMが不思議を作ると「○○が○○の建造に着手」「完成間近」といった
- メッセージが流れます。
- (重要)貿易と不思議の建造で、COMがズルをしなくなりました。
外交の変更
- まず外交官を相手の都市に入れなくても、いつでも外交を行えるようになりました。これは大きいものです。
平和と戦争の間に「停戦」状態というものもあります。専らこれになるでしょう。
都市の2エリア以内の敵ユニットは、外交により排除することができます。こちらのユニットも排除されます。
このため「万里の長城」で同盟を強制的に結んだうえで相手の都市の生産エリアにこちらの防御ユニットや外交官を配置して相手の衰退を狙う、という姑息な手はもう使えません。
また、外交官は同盟を結んでいる相手でも排除(攻撃)できます。これは同盟関係を壊さず、外交官は首都に追い返されます。
このため外交官の敵都市への接近はいささか難しくなりました。
- さらに共和制以降では、相手の外交を断わることによって同盟を結ばないように することができなくなりました(議会が勝手に和平を結びます)。
- 従って、終盤がこちらが絶対優位に立った場合には、COMを潰すために一度民主主義を転覆させる必要があるでしょう。
- #ただし「国際連合」を手に入れると50%の確率で民主主義のまま宣戦可能。
- また、外交官でCOMの都市を買収した時に、「スキャンダル発生」でいき
- なり体制が転覆してしまうことがしばしばあります。
ただし2倍の金を払ってこれを回避できます。
ただし、民主制下にあるユニット/都市は買収できません。
また、「外交官」ユニットは使い捨てですが、「スパイ」ユニットは捕まらなければ何度も繰り返し使用できる、都市を見るだけならコストがかからないなど、大幅に使えるユニットになっています。
世界の不思議の変更
- 外交の所で述べたように、民主主義崩壊の確率が増しています。
ご存じのように終盤(人口多い、施設多い)で無政府状態が長く続くのは壊滅的なマイナスになるので、革命を1ターンで終了させる「不思議」はやはり不可欠です。1でこの役目を負っていたのは「ピラミッド」ですが、2では「自由の女神像」に変わりました。「自由の女神像」は「民主主義」により建造可能です。また廃れません。どう見てもこれが最重要でしょう。
- 2の「ピラミッド」は「あれば楽」な程度のものです(後述)。
- 順調に伸びていれば、民主主義を手に入れる頃にはゲームを自分のペースで
- 進められている筈なので、1のように序盤でCOMがピラミッドを取ったから
- リセット、ということはあまりないです。
「すべての都市に○○の効果を与える」という不思議の比重が増しています。
これらは建造費維持費の節約になるのでもちろんおさえるべきなのですが、逆に言えば逃しても致命的な障害にはなりません。
次の不思議が、それに該当します。
●ピラミッド/すべての都市に穀物倉庫効果(価値暴落)
●孫子の兵学校/すべての都市に兵舎効果(廃れるまでは極めて嬉しい)
●ミケランジェロの教会/すべての都市に大聖堂効果(廃れなくなったので価値上昇)
●フーバーダム/すべての都市に水力発電所効果(同大陸のみでなくなった。水力発電所は建設できない都市も多いから、1と同様に必須の不思議です)
●婦人参政権/すべての都市に警察署効果(1では外征による不幸市民を減らす方法がなかったので超重要でしたが、2では価値は下落)。
他にも追加不思議、マイナーチェンジ不思議もあります。
次の不思議は、なかなか使い勝手が良いものです。
●レオナルド工房/技術の進歩とともに廃れるユニットを自動的に最新のものにアップグレード。とりわけ、植民ユニットや防御ユニットなどの使い捨てでないユニットが更新されるので重宝します。
●アダムスミス工場/施設の維持費をそれぞれ1減ずる。数十の都市に10以上の施設を建てることを考えれば、いかに大きな節約になるか分かる。廃れない。
多分、2番目に重要と言えると思う。
戦闘システムの変更
- 戦闘が乱数1発勝負でなくステップロスの考えが取り入れられ、ユニットの特性に攻撃/防御/移動だけでなく、火力とヒットポイントが加わりました。
- このため、戦艦が植民ユニットを攻撃して負ける、というようなことは事実上もはや発生しません。
- ダメージは1ターン何もしなければ徐々に回復し、都市だとさらに大きく回復します。 また「兵舎」のある都市では1ターンに完全回復します。
- 複数ユニットの駐留する都市に波状攻撃を仕掛けた場合、戦っていない防御ユニットをきちんとローテーションさせるので、1ユニットずつ削っていくのもおよそ不可能。
- つまりCOMがよくやるような重装歩兵数ユニットが城壁の中で守っているような都市の場合、これを10やそこらのチャリオットで攻めても、おそらく先方は無傷でこちらは全滅になるでしょう。
もっとも城壁を破壊し、ベテランユニットで臨むという基本を守れば良いとも言えますが。
- 戦闘結果をかなり予測できる変更で、ある意味でまともな、最大の変更です。
総論
- 制約はあるものの、総じて楽になりました。いささか楽になり過ぎの感もありますが、とりわけ終盤がだれずに楽しめるので歓迎しています。
- 個人的には、1に戻る気はもうないです。
あとはご自身で確かめて下さい。
まあ、1を楽しめた方なら損をすることはないでしょう。
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