シミュレーションゲームの「アルファ・ケンタウリ(AC)」の特徴をつれづれなるままに述べています。
主目的は、まだ日本語版が出ていないこのゲームに手を出しかねている人への紹介であり、その意味で「CivilizationII(CivII)」を経験していることを前提に、その違いについて述べます。
万一CivIIをプレイしていない、ということであればそれは極めて大きな不幸ですので、まずそちらをプレイしてからにしましょう(笑)。CivIIを楽しめなければACを楽しめるとも思えませんし。
政治体制は、ACで極めて大きく変化しました。
まず体制が政策(Pollitics)・経済政策(Economics)・価値観(Values)・未来社会(future Society)の4つのカテゴリに分解され、これらのおのおのを択一で選択してマトリックス状に体制を決定します。
さらにその結果として経済(Economy)・効率(Efficiency)・支援(Support)・士気(Morale)・治安(Police)・成長(Growth)・惑星(Planet)・捜査(Probe)・産業(Industry)・研究(Research)の10個の体制要素が細かく変化します。
これらの相互作用を理解したうえで、適切な体制により文明を維持する必要があります。
Frontier):デフォルト。
Police State:支援+2、治安+2、効率-2。Loyalty(C2)の獲得で選択可能。
Democratic:効率+2、成長+2、支援-2。Ethical Calculus(E2)の獲得で選択可能。
Fundamentarist:捜査+2、士気+1、研究-2。Secret of Human Brain(D2)の獲得で選択可能。
Simple:デフォルト。
Free Market:経済+2、惑星-3、治安-5。Industrial Economies(B2)の獲得で選択可能。
Planned:成長+2、産業+1、効率-2。Planetary Networks(D2)の獲得で選択可能。
Green:効率+2、惑星+2、成長-2。Centauri Empathy(E3)の獲得で選択可能。
Survival:デフォルト。
Power:支援+2、士気+2、産業-2。Advanced Military Algorithum(C4)の獲得で選択可能。
Knowledge:研究+2、効率+1、探査-2。Cybernetics(B4)の獲得で選択可能。
Wealth:経済+1、産業+1、士気-2。Industry Automation(B3)の獲得で選択可能。
None:デフォルト。
Cybernetic:効率+2、惑星+2、研究+2、治安-3(*1)。Digital Centience(D10)の獲得で選択可能。
Eudaimonic:経済+2、成長+2、産業+2、士気-2。Eudaimonia(E12)の獲得で選択可能。
Thought Control:士気+2,治安+2、探査+2、支援-3(*2)。The Will To Power(E9)の獲得で選択可能。
*1:Network backboneの開発によりゼロにできる。
*2:Cloning Vatsの開発によりゼロにできる。
CivIIで政治体制が決定的な意味を持ったのと同様に、ACでも適切にゲームを進めながら体制をスイッチすることが要求されます。これは次の「体制要素」を睨みながら随時行うことでしょう。
政治体制の変更は、必要な科学を取得した後はエネルギーを払うことで即座に行えます。1カテゴリの変更はE40で行えますが、同時に複数のカテゴリを変更しようとすると値段がはね上がります(通常は割に会わないので行いません)。無政府状態や「自由の女神」の概念はありません。
経済(Economy):エネルギーの生産量を決定します。
効率(Efficiency):生産の損失を決定します。
支援(Support):ユニットを維持するために必要な都市の資源を決定します。
士気(Morale):戦闘力を修正します。
治安(Police):ユニットによる都市の治安維持、および都市を出た際の不幸市民の有無を決定します。
成長(Growth):人口の増減の度合いを決定します。
惑星(Planet):原住生物との共存度を修正します。
捜査(Probe):ハッカーの能力を修正します。
産業(Industry):ユニットや施設の生産に必要な資源を修正します。
研究(Research):科学研究の量を決定します。
明らかに、これらを適切にコントロールすることがゲームの鍵です。
プレイヤーとCOMの操作する7種族に、より個性づけがなされています。単に性格だけでなく、実際の生産に関わる修正がうまい具合に施されています。
具体的には、種族により上記「体制要素」にプラスやマイナスの修正が施されています。
また種族により選択できない「政治体制」が存在したりします。
またその他、種族により固有のメリット・デメリットが存在するため、プレイスタイルを種族によりいささか変える必要が出てきたりします。面白いです。
(付記)
現在さらに異なる種族を登場させた拡張セット「Alien Crossfire」が発売されており、PC版Mac版ともに入手可能ですが、これは筆者は未プレイです。
CivIIの「都市の周囲」の概念がさらに強化され、ACでは都市建設により具体的に「勢力圏」が形成されます。基本的には、異種族とこちらの種族の双方の最前線都市の地上中間に線が引かれます。実際のゲームでのマップを見れば意味は瞭然でしょう。
相手の勢力圏の中に軍事ユニットを置くことは抗議の対象になり、相手の勢力圏の中に新たな都市を築こうとすることは戦争同様の明らかな敵対行為になります。勢力圏の形成は基本的には「早いもの勝ち」なので、とりわけ序盤ではいかに急速に都市を立てて自らの勢力圏を広げることが勝利の鍵となります。このためCOMとじりじり国境線を争いながら急いで勢力を伸ばす感覚があります。
プレイヤーを含めた7種族が存在しますが、単なる相互の敵味方関係だけではありません。
惑星「議会」が存在し、勝利条件達成を含めた重要なことがしばしば議決結果により決定します。
プレイヤーの種族人口により得票数が決まるタイプの議決と、1種族1票を持つタイプの議決が存在し、前者はまあ領土拡張を進めれば普通に達成できますが、後者をコントロールするためには他の種族を同盟にしたりする必要も生じます。
「万里の長城」「国際連合」に相当するものがありません。
無条件で戦争を抑止する方法はないため、CivIIで有効であった「戦争を極力回避して文明を伸ばす」ことは不可能です。戦争に勝てるだけの戦闘力を常に備える必要があります。
和平交渉を成立させるためにも、背景となる明確な武力差、ないし第三種族への宣戦、ないし金や科学の提供といった具体的な裏付けを通常は要求されます。
さらに重要なことに、戦争行為を行ったターン以外でもCOMがしばしば「話し合いを拒否」します。
こうなると戦争中でも和平は結べませんし、停戦中であれば相手が破ってくる公算が大です。
これは戦争を起こして、相手の都市を1個落とすなりしないと再度の和平はまず結べません。
加えて時折、磁気嵐で20ターンほど「一切の交信が不通」という極めて深刻な事態になり、こうなるとたとえ相手の都市を落としても和平交渉ができませんので、通信が回復するまでは戦争が続きます。
COMとの同盟や科学交換も必須テクニックでもあり、総じて外交は複雑になっています。
これが私がACを気に入っている大きな理由のひとつなのですが、はっきり言って勝利の鍵はいかに早く中盤でAir Powerを獲得し、かつ爆撃機を大量生産するかにかかっていると言っても過言ではありません。
CivIIでは爆撃機の生産コストが160と高すぎたうえに航空機は常時不幸市民の要因になることから、概して航空機の大量生産は「割に合わない」仕事でした。このため私なども航空機を生産しないでクリアするというのを攻略の基本に置いていたものです。
しかしACでは、航空機がその移動力と火力に十二分に見合うだけの存在であるため、プレイヤーもCOMを航空機をどしどし生産して世界を席巻する展開になります。
言うまでもなく、この方がかなり自然です。
実のところ、CivIIのかなり大きなストレス要因として「スパイ」があります。序盤中盤はともかく、完全にゲームが確定してユニットを進めるだけの終盤に至ってもCOMがスパイを大量生産して怒濤のアタックをかけてくるのには、しばしばうんざりさせられるものです。
この点の要望がやはり高かったと見え、ACではハッカー(スパイに相当)の扱いが少々変わっています。
まず、都市にハッカーを入れておけば、ハッカーの攻撃はこちらのハッカーを「倒して」からでないと行えません(行動の確率修正のみではありません)。このためこちらも複数のハッカーを生産して都市に常駐させておけば、スパイのアタックを防ぐことができます。
加えて何より、「世界の不思議」に相当する「プロジェクト」として中盤で取れるHunter-Seeker Algorithmを取ると、ハッカーのアタックを以後100%防げます。
これは中盤から終盤にかけてのストレスを大きく軽減してくれる、嬉しい存在です。
事実上、これをCOMに先に取られたら、私はその回のプレイを断念します(笑)。
新技術と新兵器の関係がもう少し自然で、ユーザーの生産計画の幅を広げています。
「ロボット工学」を発明したら「高射砲」を発明できる、というのではないわけです。たとえば現在
歩兵:6-3-1(攻-防-移)
車両:6-1-2
航空:6-1-12
とかいうユニットを生産できる所に「ミサイル(攻撃力8)」を発明すれば、今度は以後
歩兵:8-3-1
車両:8-1-2
航空:8-1-12
を生産できるようになる、といった感じです。あるいは「Amphibian Pod」を生産可能になったら、今度はそれまでの歩兵を「改造」して少しだけ割り増しになる「海兵隊」を作れるようになる、といった風にです。これはすべて組み合わせであるため、安価な1-1-1の海兵隊を作ることも、高価で強力な13-4-1の海兵隊を作ることも可能です。
この辺が、パッケージで数百万通りのユニット設計が可能、と謳われている所以です。
これは非常に面白い考え方だと思うのですが、上記のように新技術を獲得しても、それを応用した強力な「新兵器」がいきなり大量生産できるわけではありません。新兵器は資源が5割増しになります。1個それを生産すれば以後は通常の資源で生産できるわけですが・・・。
この修正はたとえば「ミサイル」に対してかかるので、たとえば上記例では一度だけ歩兵8-3-1を5割り増しで生産できれば、以後車両8-1-2や航空8-1-12は普通のコストで生産できるようになります。明らかに通常は歩兵が一番安いので、普通はまず新技術を発明したら、それを応用した歩兵を1個作ってから他のユニットの大量生産に転用することになるでしょう。
その他にもACには
など細かい相違は色々ありますが、あとは自力で発見して頂きたいと思います。
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||